rbenvとruby-buildプラグインを使用してRubyをインストールする方法を説明します。
パッケージのインストール
Rubyと標準添付ライブラリのコンパイルに必要なパッケージをyumでインストールします。
rootでyumコマンドを実行するか、sudoコマンド経由でyumを実行します。
sudo yum install -y git gcc make zlib-devel openssl-devel readline-devel libffi-devel
rbenvのインストール
あとは一般ユーザでコマンドを実行していきます。
rbenvとruby-buildプラグインをgithubのリポジトリからgit clone
します。
git clone https://github.com/sstephenson/rbenv.git ~/.rbenv git clone https://github.com/sstephenson/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
rbenvが利用できるようにbashの設定ファイルを編集します。
echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bash_profile
ログインしなおしてbashの設定を反映させます。
rbenvが使用できるか確認しつつ、インストールできるRubyのバージョンを確認します。
rbenv install -l 2.6.10 2.7.6 3.0.4 3.1.2 jruby-9.3.4.0 mruby-3.0.0 rbx-5.0 truffleruby-22.1.0 truffleruby+graalvm-22.1.0 Only latest stable releases for each Ruby implementation are shown. Use 'rbenv install --list-all / -L' to show all local versions.
インストールできるバージョンの中で最新の安定バージョンが表示されています。
ちなみに、インストールできる全てのバージョンを表示したい場合は、-L
オプションを指定します。
rbenv install -L
ここでは、Ruby 3.1.2をインストールします。
Rubyのインストール
rbenv install
コマンドにより、Rubyのソースのダウンロード、コンパイル、インストールを順次実行します。
rbenv install 3.1.2
インストールが完了したら、利用できるバージョンを確認してみます。
rbenv versions * system 3.1.2
これでRuby 3.1.2が利用できるようになりました。
現状ではまだパッケージでインストールしたRuby (system)が設定されています。
使用するRubyバージョンの設定
rbenv global
コマンドで3.1.2を使用する設定します。
rbenv global 3.1.2
Rubyのバージョンをruby
コマンドを実行して確認してみます。
ruby -v ruby 3.1.2p20 (2022-04-12 revision 4491bb740a) [x86_64-linux]
gemコマンドの実行
gem
コマンドでpry
をインストールしてみましょう。
gem install pry
ここで示した方法でrbenvをインストールした場合は~/.rbenv/
以下にRubyやgemがインストールされるためgem
コマンド実行の際にはroot権限やsudoコマンドが必要ありません。
which?
ではこのruby、gemはどこにあるのでしょうか? which
コマンドで調べてみます。
which ruby ~/.rbenv/shims/ruby which gem ~/.rbenv/shims/gem
~/.rbenv/shims/
以下のrubyとgemが実行されていることが分かります。これらのファイルはbashスクリプトです。実際にrbenvの設定によって実行される実体はrbenv which
によって確認出来ます。
rbenv which ruby /home/user/.rbenv/versions/3.1.2/bin/ruby rbenv which gem /home/user/.rbenv/versions/3.1.2/bin/gem
複数のRubyのバージョンを利用できるrbenvの仕組みがなんとなく垣間見えたのではないでしょうか。
rbenv installで指定できるRubyバージョンの更新
最新のRubyがリリースされたら、~/.rbenv/plugins/ruby-build/
でgit pull
を実行することで、Rubyの新しいバージョンを試すことができます。
cd ~/.rbenv/plugins/ruby-build/ git pull rbenv install -l rbenv install 3.x.x rbenv global 3.x.x
まとめ
これでrbenvによるRuby開発環境の構築が完了しました。